朱漆色(しゅうるしいろ)──

Introduction about :

朱漆色(しゅうるしいろ)──

日本人の精神文化に深く根ざす、特別な赤です。
この色は、祈りの象徴であり、格式を示す印でもあり、空間を彩る美の要素としても尊ばれてきました。
そうした色への感覚は、古くから日本人の精神性の中に息づいています。
各地の古代遺跡からは、朱で彩られた土器や人骨が見つかっており、赤は「命」「再生」「浄化」を象徴する神聖な色として、祈りや儀式に用いられていたことがうかがえます。

朱漆の赤──辰砂とベンガラ

朱漆色の鮮やかな赤は、二つの素材に由来しています。

辰砂(しんしゃ)
硫化水銀鉱石で、磨くと生命を思わせるような力強い赤を放ちます。
古くは、水銀を含む性質ゆえに、「毒を見分ける」と信じられた朱が塗られた器が使われたという伝承もあり、一部の権力者の盃に用いられていたと伝えられています。

ベンガラ(酸化第二鉄)
鉄を主成分とする酸化鉄顔料で、朱よりも渋みのある落ち着いた赤を呈します。
耐久性に優れており、建築物の外装や漆器の塗装など、幅広い用途に用いられてきました。

 

文化を越えて託される色の意味

赤という色に特別な意味を託す感覚は、時代や地域を越えて人々の文化の中に息づいています。
たとえば西洋では、赤は錬金術における変容や完成の象徴とされ、精神的な到達や統合の色として語られてきました。
一方、東洋では、朱という明るい赤が生命の力や再生を象徴し、祈りや儀式の場において神聖な色として扱われてきました。
朱漆色は、そうした「色に託された精神性」を受け継ぎながら、日本の造形文化の中で、格式と美意識を備えた色として静かに育まれてきた存在です。

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朱漆色は、色そのものに込められた意味や背景を、静かに伝えてくれる奥行きのある色です。祈りや格式といった精神性をまといながら、空間やかたちに深みと品格をもたらします。

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